稚児岩
尾張名所図会という江戸時代の観光ガイドブックに「半田川筋の側にある一巨岩にして、小児の立てるが如し、よりて号くという。あるいはむかし此の川筋に大蛇ありて、此の岩の辺にて児となり、舞踏し人をたぶらかしゝを、長江氏なる人 射殺したり。夫より彼の蛇の首を神にまつりて、産神となせしともいう。」と岩にまつわる話しが書かれています。
岩の名称は「児岩」と書いて「ちご岩」と読みます。この岩は蛇ヶ洞川の上流域にある蛇ヶ洞貯水池の堰堤から200メートルほど下流の山麓にあり、児岩へ辿り着くには険しい山越えが伴うので簡単には行けません。
蛇ヶ洞川はオオサンショウウオの棲息地です。オオサンショウウオを大蛇に例えたのであれば、児岩はオオサンショウウオの化身とでもいうことでしょう。瀬戸市民の喉を潤す貴重な水がめ「蛇が洞貯水池」を児岩が護ってくれていると思えば、誠にありがたい話しです。