木造十一面観音菩薩立像

木造十一面観音立像

下半田川町にはこの観音菩薩像は、下半田川の氏神である八劔はっけん社境内の観音堂に、県指定文化財木造阿弥陀如来立像とともに祀られていました。現在は観音堂脇の文化財収蔵庫に安置されています。作者、制作から安置に至る経緯については不明ですが、藤原期前期の特徴を持ち、瀬戸市最古の木造仏であり、名古屋市笠寺観音の観音像とともに当地方でも珍しく古い年代の仏像です。 像は、檜材の一木造りです。丸みを帯びたふくよかな顔立ちをなし、頭上の宝冠台の上には10面の化仏が配されています。彩色は剥落していますが、右足を多少浮かせた姿勢、適宜に引き締った体身は均整がとれており、衣文の流れや線条の彫刻は自然な形状をなし、全体としてすっきりした佳作であるといえましょう。

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