妻の神伝説

昔々、下半田川村に、田舎ではめずらしい美男の兄と美人の妹がなかよく住んでいました。兄の名は小治呂、妹の名は稗多古といいました。年頃になっても、二人の思いにかなう結婚相手がこの村や近くの村にはいません。そこで二人は互いの伴侶を求めて東と西に別れて旅に出ました。 しかし、何年か探しても意にかなう人が見つかりません。疲れ果てた兄と妹はそれぞれが故郷へ帰りました。すると、そこで兄は理想とする女性と、妹もまた理想とする男性と出会うことができました。おおいに喜んで近づいて話をすれば、何年か前に別れて旅に出た兄妹同士でした。二人はこの世では結ばれない自分たちの運命に悲観し、ついに心中しました。 村人たちが二人の供養のために小さな祠をつくりました。これが今、縁結びの神として参拝者が多い「妻の神」です。

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