連房式登窯(洞本業窯・一里塚本業窯・古窯)

洞本業窯(市指定文化財)
一里塚本業窯(市指定文化財)
古窯(古陶園竹鳳窯)(市指定文化財)

 瀬戸では、江戸時代前期に従来の窖窯・大窯の構造から、斜面に階段状に焼成室を連ねる連房式登窯の構造へと陶器焼成窯を変化させている。江戸時代後期に、磁器生産も開始されると、従来の陶器生産に使用されていた幅の広い房室をもつ縦狭間構造の連房式登窯「本業窯」に加え、連なっている各房室の高低差が低く幅に比べ奥行きがある大型磁器焼成用の横狭間構造の連房式登窯「丸窯」も使われるようになった。近代に入り小型磁器焼成をするために、小型で房室の高低差が大きい「古窯」も用いられるようになった。
 現在、瀬戸市内で昭和期以降天井部まで残されている連房式登窯は、洞と一里塚にある本業窯と、西郷町にある古窯の3基(すべて市指定文化財)のみである。
  前者の本業窯は、もともと東洞町に在った13連房の奥洞窯(水野平右衛門を家祖とする半次郎家、逸太郎家、與左衛門家の兄弟3家による共同経営窯)の窯材を使用して、水野半次郎家の兄弟が2基の本業窯を築いたものである。これらは、昭和24年に奥洞窯のすぐ下の場所に焼成室4房の洞本業窯(長男半次郎(六代)の第一工場であった半次郎窯(昭和54年まで焼成)(屋号は「瀬戸本業窯」、文化財名称は「洞本業窯」))、昭和25年に一里塚に築かれた焼成室4房の本業窯(次男義郎の第二工場であった義郎窯(昭和50年まで焼成)(屋号は「一里塚本業窯」、文化財名称は「一里塚本業窯」))で、それぞれ火鉢・水甕・擂鉢などを焼成していた。昭和50年に一里塚の本業窯が市指定文化財となり、平成7年に洞の本業窯が同文化財となった。
  後者の古窯は、 江戸時代から続く古陶園と号した染付磁器窯屋の伊藤伊平家が築いた窯である。当初5連房であったが昭和22年に現在地に同窯材を使用して3連房で再築され、昭和39年暮の最終焼成まで、年間6~7回使用された。現在は瀬戸染付工芸館の保存・展示施設として活用されている。

アクセス(洞本業窯)
電車  名鉄瀬戸線 尾張瀬戸駅より徒歩25分
車    赤津ICを下りせと赤津IC西を右折。次の角を左折し、その後すぐに左折し、直進。右手に目的地。
瀬戸市東洞町17

アクセス(一里塚本業窯)
電車  名鉄瀬戸線 尾張瀬戸駅より徒歩25分
車   せと赤津ICを下り国道248号を一里塚町の信号を右折。次の角を右折し、その後すぐに左折し現地へ。
駐車場 有
瀬戸市一里塚町27

アクセス(古窯)
電車  尾張瀬戸駅下車 徒歩約20分
車    東海環状自動車道 瀬戸赤津ICより約7分 
駐車場  有(5台、大型バス不可)
愛知県瀬戸市西郷町98番地
0561-89-6001 

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