旧山繁商店

 万延元(1860) 年生まれの初代加藤繁太郎は、明治12(1879) 年に主屋( 現在滅失) を建てて移り住み、明治19・20 年頃から陶磁器卸問屋「山繁陶磁器商店」を起業した。大正8年には「山繁合名会社」となり、二代・三代と加藤繁太郎家は引き継がれ、昭和14(1939) 年には中国上海市に支店を開設するなど海外貿易も活発化した。終戦の翌年には陶磁器卸売業を再開し、南洋向け貿易陶磁器の加工完成業を行うなど、早期に戦前の隆盛を取り戻している。「せともの問屋」として、広大な敷地に明治・大正・昭和の各時代の建物が、まとまった形で残されているのは大変貴重である。

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